第2回

①メンタル不調の保護者(医療機関受診中の方)への支援

保護者の中には、メンタル面の不調(うつ病やパニック障害ほか)をお持ちで、現在、医療機関を受診されていらっしゃる場合もあります。ご本人(保護者)から相談があった場合やご家族(祖父母、配偶者)からご相談があった場合に、どのように対応したらいいのかを まとめてみました。

園でできること それは『環境調整』です。

メンタル不調の方(特にうつ病の場合)の治療には、3つの方法があります。

それは ①環境調整 ②薬物療法 ③心理療法(セラピー)の 3つです。

 

その中で周囲がお手伝いできること、特に園で出来ることといえば ①環境調整に関する部分での支援やお手伝いになります。「環境調整」とは、基本的には「休息できるお手伝い」となります。つまり休息できる環境を作るサポートです。安心できる保育も その1つです。また、少しの配慮で、ずいぶんと保護者の負担も軽減されます。どういった「休息できるお手伝い」が可能か 保護者だけでなく、他の職員の方とも相談してみることが大切です。

理解しておきたい3つのポイント

①理解

メンタル不調時の子育ては 想像以上に大変なものです。

当研究所では、「メンタル不調時の子育て支援」を専門に行っていますが、実際に『メンタル不調時の子育て』は、想像以上に大変なものです。「そのくらいできるでしょ」という思い込みは捨てましょう。もちろん、怠けているわけではなく、本人としては「やる意思」は持っているのですが、本当に体がついてこないのです。昨日は出来たのに、今日はできないという波もあります。また、記憶力が低下してしまい、忘れがちになることもあります。調子の良い時と悪い時の波が著しい場合もあるのです。 まず、支援する人がしっかり理解しておいてほしいのは、支援者が想像する以上に、負担が大きいのだということです。まずは、「思い込み」を捨てて欲しい。これが最初のポイントです。(げんき)

②軽減

人と出会うことが大きなストレスになる場合もあります。

園で支援できる『環境調整』の中でも 特に対応したいもの。それは「行事への参加」についてです。保護者が調子の良い時、「この行事に参加してもらったら、きっと気分転換になるわ」と思ってしまうこともあるかもしれません。ただ、一見 今日は元気よく調子よさそうでも、明日また調子を崩してしまうこともよくあることです。特に、行事への参加は、もちろん親として こどもの姿を見たいのは当然なのですが、他の保護者とのやりとりや会話など、一見 他愛もないように見えることが大きなストレスになる場合もあるのです。保護者に確認しながら、そして万が一、お休みしたり、途中で退席する場合なども周囲の保護者との間に「ぎこちなさ」が残らないように配慮してあげることが大切です。(げんき)

③安心感

過剰な心配はかえって逆効果です。

こんなことを言ったら、うつ病が悪化してしまうのではないか・・そうした不安感を逆に保育者の方が持ってしまい、本来言わなければならないことも言えなかったり、あまりに相手に気をつかいすぎて、表情が固まって、ぎこちなくなってしまうと、保護者はかえって不安になります。「なにか言えないことがあるのかもしれない・・」と。伝えないといけない事やお願いしなければならない事は、伝えていいのです。ただ、ポイントとして、「お願いできそうですか?」と相手に確認することです。できそうにない場合であれば、また方法は考えましょう。くれぐれも誤解してはいけないのは、保護者は、「できない人」ではないのです。 単に、「今はできない」だけなのです。腕を骨折してギブスした人がモノを運べないのと同じこと。元気であればできるのです。決して「能力がない」のではありません。(げんき)

風邪をひいて、少し寝込んでしまっただけでも、とても無力感や罪悪感を抱いてしまいますが、

それが常に継続されている状態というのは、本当に辛いことです。その思いを少しだけ相手の身になって

考えてみると 何をお手伝いしたらよいか 想像できると思います。(げんき)