その288) 言葉の遅れが見られる子の保護者への対応はどうしたらいいの?

 

 

9月から、「保護者支援」や「保育ソーシャルワーク」の研修で、東京に入ります。

 

8月は、「0・1・2歳児の言葉がけ」の研修で、たくさんの先生方とお会いできそうです。

 

 

 

 

「元気先生へ。言葉の遅れが見られる子の保護者へは、どのような対応をしたら

 

よいでしょうか?」

 

 

保育研修で、ご質問を頂きました。

 

 

 

 

一人一人の子によって、 もちろん 変わってきますし、保護者の気持ちによっても

 

もちろん 対応は様々です。

 

 

 

 

ただ、、

 

 

 一つだけ 共通する 『大切なポイント』 があります。

 

 

 

 

それは 「不安感」をいかに和らげることができるか、 という点です。

 

 

 

 

 

言葉にして、こうやって書いてみると とても単純に見えるのですが、

 

 

実は、こどもたちの支援をしていると この「意味」の持つ重要性を 本当に痛感する

 

ことがあります。

 

 

 

例えば、言葉の遅れが見られる子がいて、保護者がとても心配して

 

毎日 「これからどうなるのだろう」と不安を持っているとします。

 

 

 

保護者は、その子を見る度に 早く話して欲しいと 焦る気持ちを押さえられません。

 

悲しげな表情と不安感で いっぱいです。

 

 

 

 

その後、保護者や先生、様々な方の働きかけで

 

その子は、 ちゃんと 他の子と変わりなく言葉の数も増えてきて、

 

「言葉の遅れ」は全く感じられなくなりました。

 

 

 

 

先生も保護者も 安心です。

 

 

「よかった。よかった」

 

 

 

保護者の「言葉の遅れ」の不安も どうやら なくなったようです。

 

 

 

 

よかったですね、安心ですね。

 

 

 

 

 

 

でも、、

 

その子と関わる中で、少し気になることが ありました。

 

 

 

それは 「不安感」です。

 

 

自分でも うまく理解できない「不安感」を抱いていました。

 

 

 

 

もちろん、その子は、自分の「言葉の遅れ」によって

 

保護者が不安に感じていたことなど 知りません。

 

 

 

分かっているのは

 

自分を見て、保護者がとても悲しそうな顔をしていたこと、

 

とても不安そうな顔をしていたこと、

 

 

その表情や雰囲気です。

 

 

それだけが 強く その子には 「印象」として残っていました。

 

 

 

 

 

 

言葉の遅れが感じられる子の保護者へ

 

僕が必ずお伝えしていること。

 

 

 

それは 「不安感は 伝わる」ということです。

 

 

言葉の遅れがなくなった後も こどもの中にある「不安感」はなかなか消えないのです。

 

 

 

 

もちろん、保護者の不安感は 理解できますし、共感できます。

 

だからこそ、その「不安感」を共有して、その「不安感」が、こどもたちに

 

どんな影響を与えるのかを しっかり理解した上で こどもたちと触れ合うことが

 

大切なのです。

 

 

 

 

「遅れ」よりも こどものこころに芽生えた「不安感」の方が、本当は心配なのです。

 

 

 

 

保護者の「不安感」をいかに和らげるか、

 

 

そこが 一番 大切なポイントなのです。 (げんき)

 

 

 

 


 

自分が「不安」だと、周囲へ その「不安」が伝わることがあります。たとえ、

自分の「不安」が解消されたとしても 周囲の「不安」が解消するとは限らないのです。(げんき)