その323) 相手の「行動」を変えてしまうと 『自信』は育たないのです。




先日、ある男の子の行動面について アドバイスを求められたので


園に様子を見に伺いました。




その時に 園の先生方から びっくりされたことが ありました。



「ものすごいメモの量ですね!!」




どうやら メモの量に驚かれたようでした。





忠実に『再現するため』には 欠かせない のです。






「新しい行動を身につけてもらう」ためには


3つの流れが 必ず必要になります。




それは  『事実』 → 『解釈』 → 『行動』  という流れです。





まず


○正確に 『事実』を記録する。


○それが何を意味しているのかを 検討し、推測する。


○そして、それを 「新たな行動」に切り替える。




そのためには、まず こちらの「感情」や「考え」を抜きにして


目の前のこどもの「行動」を正確に記録しなければならないのです。 




そのために


部屋に入った瞬間に どの方向に進んで 一番最初に 何をつかんで


それで どのような遊びをしたのか、それをどのくらい 遊んだあとに


次は どこに移動して 何を手にしたか、



そうしたことを まるで ビデオに撮るように記録します。




そして その「事実」から こころの動きを『解釈』すると


その状況を他の場所でも 正確に「再現する」ことも可能なのです。



この記録は、「無意識」を「意識化」するための道具なのです。



 

そして この「事実」から導いた「解釈」を頼りに

 

今やっている「行動」を 新しい「行動」へと自然に替わるように導いていきます。





「言い聞かせる」




「言って行動を変えさせる」 とは、 実は 逆のことをやっています。






こちらの意図を伝えずに 自然に自発的に 変わってもらう。


そのための「流れ」を作ることが 大切なのです。


「元気先生から言われたから」とは 決してならないのです。


ここで 僕の存在を出してはいけないのです。





僕の出番は


新しい行動に自然に切り替わった後で


そのことに対して、褒めて「評価すること」 だけなのです。




「よく それに気づいたね、すごいね!!」を伝えることが


僕の仕事 なのです。





「行動」を変えることが 仕事ではなく


「行動」が自然に変わる『流れ』を作ることが 仕事です。



そして 「行動」が自然に変わった後で


それに気づかせて それを『評価すること』が 仕事なのです。





「自分でできた」


その「自信」を育むことが  何よりも大切なのです。 





「なぞなぞ」と同じです。


答えを先に教えては 面白くないのです。 (げんき) 






   言葉がけとは、相手を変えるために使うものではなく、相手に気づかせる「道具」なのです。(げんき)