その357) 「わからなくてもいい」という感覚を持つことが大事。



昨日は、メンタル面で不調を抱えた方の支援者向けの研修会でした。



本当は、その日は、僕が話をする予定だったのですが、



今回は、いつも研修やカウンセリングをお願いしている女性のカウンセラーさんに


お願いしてお話し頂き、僕が最初と最後の締めを担当することにしました。





彼女は、クリニックのカウンセラーさんなのですが、面談経験も長く、


たくさんのケースを体験されていたので、多くの事例をお話し頂きながら、


支援者の間合いの取り方を みなさんに伝えてもらいました。






様々な本や研修の中で、


『相手の思いを理解しましょう。理解するように努めましょう。』



そう、書いてあります。





これは、支援をするという職業にとっては、 非常に大切なものです。



おそらく、その言葉どおりに 誰もが支援にあたると思います。





でも、、



思いが強く、とても優しい人が この通りに 「支援」をすると


バーンアウトする可能性が 非常に高くなるのです。





なんらかの精神的な疾患を抱えていらっしゃる方、


メンタル面で不調を抱えていらっしゃる方は、


時に、 「理解できない」ような言動や行動を取られることが あります。




そうした時に


この言葉のとおりに 『相手の思いを理解しよう』として



なぜ、こういう風に考えているのだろう。


どうして、こんなことをしたのだろう。




そうやって、「なぜ」「なぜ」を自分に繰り返すことが、 きっと あると思います。





ただ、そこには 「答え」はないのです。



そうやって、理解できないことを理解しようとして、



最後は、疲れて 燃え尽きてしまうのです。




これは、本当の意味で、


『相手の思いを理解している』には、つながらないのです。






「わからなくてもいい」のです。




「自分には わからない考え方」をお持ちなのだ。



それで いいのです。




「わかろう」としなくて いいのです。




「わからなくてもいいんだ」という感覚を持つことが 重要なのです。





それが『相手の思いを理解する』ということ なのです。





自分には 理解できない考え方をお持ちなんだ。


そうやって、受け止めることで、




はじめて 「理解」というのは スタートするのです。






「相手を理解するため」には 全てを わからなければならない・・。



そう 考える必要はないのです。





「わからないこと」があっても いいのです。


「わからないこと」があっても、 「支援」はできるのです。(げんき)






  保護者支援にも、この考え方は 必要なのです。 「こころを理解する」というのは、何から何まで知る必要はないのです。

 相手のこころを何から何まで知ろうとすると、それが相手にとっては、「恐怖」につながることもあるのです。(げんき)