その443)「本音」とは、無意識に出てくるもの なのです。



メンタルヘルスの相談の中では、「仕事」についてのご相談が、ほぼ8割を占めます。



相談の内容は、主に3つに分かれます。


それは、 「業務」 「人間関係」 「個人的な問題」 の3つです。


その「業務」と「人間関係」をあわせると、相談の8割を占めることになります。






僕は、保育士の先生だけでなく、様々な企業で働く方のメンタルヘルス支援も行なっています。



それを皆さんご存知のようなので、


保護者の方からのご相談も その半分が、、、



実は、「子育て」ではなく、、「仕事」についての問題が 多いのです。





「子育て」や「メンタル不調」に関して、


この相談は、その状況に応じた適切な「アドバイス」も可能です。




ただ、「仕事」についてのご相談の場合、


メンタルヘルス相談を提携している企業様の場合は、別ですが、


実際の「仕事」の内容が 分かりにくいため、ご相談者の方が希望される


「アドバイス」を出すことは、実は 非常に難しいのです。




 

ある保護者の方から


「元気先生、、今 お話した状態なんです。。。先が見えなくて、まだ これが続くかと


思うと、、明日 会社に行くと考えると本当に気分が重くなります、、、。


どうしたらいいでしょうか??」




面談の場で、そう質問されました。





お話を伺う中では、医療受診の必要はないのですが、このまま、今の負荷が


かかりつづけると、3ヶ月も続けば 不調になる可能性は非常に高いケースです。


ただ、こちらとして、「環境調整」(業務や人間関係の調整)を行なうことができない、、


また、ご本人も会社との調整を望んでいない、、そんなケースです。




そこで、1つ質問をしてみました。




「もし、今 この立場が 全く 正反対だったとします。


僕が 今 お話いただいた状態で、 ○○さんに 今 相談しています。


全く この場が、 逆だったとしたら


そのとき、 ○○さんは、僕に どんなアドバイスをしますか?」




○○さんは、少し びっくりした様子でしたが、


少し 考えて 僕に アドバイスをくれました。



「このままでは、身体が壊れてしまうと思うので、自分なりに ここまでという


期限を決めて、やってみて、その時点で難しかったら もう辞めたら どうでしょうか?


まだ、若いのでなんとか なると思います、、、、と伝えるかもしれません。」



僕も、「○○さん ありがとうございます。」と伝えました。







自分自身が、「期待すること」や「望むこと」、「欲しい言葉」 というのは、


率直に 表現することは 難しいものです。




特に、「相談」の場面で 率直に伝えることは まず ありません。


そこでは、「本音」は どうしても隠してしまうのです。





ただ、、


「立場が 正反対」であれば 逆です。


もし、立場が逆であれば、 自分自身の「本音」というのは、


あくまでも 「他者へのアドバイス」として スムーズに出てくるものです。



「他人事」だと感じることができれば 答えはおのずと出てくるのです。





「相手の本音」を聴いてからの アドバイスは


支援者によって 人それぞれです。





でも、「相手の本音」を聴くことは 実は それほど 難しいことではないのです。





自分の問題を 「他人事」だとして、 客観的に見ることができれば


無意識の自分が おもわず 「本音」をもらしてしまうのです。






「答えは相手の中にある」



それを、引き出せるかどうか なのです。 (げんき)





 

 この「立場を逆にする」方法は、相手の「認知」を変えるためのトレーニングとして行なっています。

 うつ病やメンタル不調の方の支援の際にトレーニングとして実際に使っています。(げんき)