その471)支援者がやってはいけない「働きかけ」が1つあります。



「元気先生、相談をお受けする際や、支援をする際に、やってはいけないことって


ありますか?  本などを見ても、あまり載っていないので、教えてください。」




保育者研修の中で、ご質問を頂きました。




もちろん、あります。




「これ」は、本当に相談の場や支援の場で よく使われていますが、


僕もスタッフも 決して 「ご本人」に 使うことはありません。



 



それは、「恐怖を与えること」です。



より詳しく言えば、「恐怖条件付け」です。





「このままにしておくと障害がひどくなりますよ。」


「このままだと おかしくなってしまいますよ。」


「このままだと 最悪の状態になりますよ。」


「このままだと 社会生活ができなくなりますよ。」


「このままだと 学校に入ってから 大変なことになりますよ。」



こうした「表現」を使って 従ってもらおうとする。




「これ」は 絶対に用いないことに しています。



言った方は、「不安を与えてしまった」そう思ったとしても


受け取った側は、「恐怖」と感じるケースは 山のようにあります。




ただ、研修などで、 何かのケースの説明の際には、


「このままだと こうしたことが発生しますよ」と 使うことはあります。


これは『恐怖を与える』のではなく、「流れ」の説明として使っています。

 

 


相談支援の場面では、この「恐怖条件付け」は行ないません。


もちろん、こどもたちと接する際にも これは使いません。



 

これは 脳の「扁桃体」に蓄積されてしまうからです。


この記憶に関連した「情動」が起こると記憶が引き出され、

感情的なものや身体的な反応が強く引き起こされると言われています。




こどもたちに対しても


「これをしないと 鬼が出るぞ」や 「おばけが出るぞ」とは


僕たちは 一切 伝えることは ありません。





それは、なぜか?




一見、小さな ほんのささいな 「脅かし」や「恐怖」に見えるのですが、


これを「クリア」(消す)のには、相当な時間がかかることを


セラピーの経験上、理解しているからです。




大人同士の間で、もし、こうした「恐怖を与えるような助言」をしたとして、


もし、それが「誤解」や「冗談」であると 仮に分かったとしても


脳は、しっかり 「その人」のことを覚えています。





その人の 「言葉は入らなくなる」のです。





保育者研修で、必ずお伝えしているのは、


「同じことを言われても Aさんは、なんだか すんなりと入ってくるのですが、


同じことなのに、Bさんだと なんだか 腹が立つ、むかつくこともあるのです。」



それは、こうした 小さな 小さな 言葉がけが スイッチを作っているからです。



 

 

ご安心ください。

 

もちろん、、研修では、これを「クリアにする言葉がけ」も ちゃんとお教えしています。






「恐怖を与えること」


そこには 何のメリットも ありません。(げんき)





 「危機感を与えること」と「恐怖を与えること」は全く別物です。僕は企業内でもメンタルヘルス研修を

 行なっていますが、「危機感を与える」つもりが、紛れもなく「パワハラ」になっているケースもよくあります。

 いったん、恐怖を感じた社員のこころをクリアにするには、相当の時間がかかるのです。(げんき)