その486)保育士の負担を減らすための「ソーシャルワーク」



昨日、以前から やり取りをしている 学生の方から メールを頂きました。


一度、羽田空港でお会いしたのですが、とても優秀な学生さんで、きっと未来の児童福祉


を支えてくれるだろうと 僕も期待している方です。



そのメールの中で、一つ 気になる質問がありました。


『ただでさえ保育士不足が問題となっていて、業務も多い保育士ですが、ソーシャルワークの視点を取り入れたかかわりをしていくことになると更に保育士の担う役割が多くなってしまい、従来の子どもとのかかわりに手が回らなくなってしまう可能性も否めないと思いますが、それについてはどうお考えですか。』

 

という内容でした。



 

保育者研修で、「ソーシャルワーク」のお話をすると、


おそらく 保育士の先生が最初に抱く「イメージ」も、同じなんだと思います。





実は、これは 全くの誤解です。



というよりも、全く 「逆」 なのです。




保育者が「ソーシャルワーク」の視点を持つ理由、


それは「保育者の負担を減らし、保育に専念するため」 です。


新たに「ソーシャルワーク」という仕事が増えるわけではないのです。





現に、僕が「ソーシャルワーク」の視点を持って頂いた保育現場からは、


「保育に専念できるようになった。」


「なんだか、保護者支援も楽になった。前より負担が減った。」


「こどもとの関わりに余裕がでてきた。」


 

そうした声があがっているからです。






僕は、「保育ソーシャルワーカー」という 新たな職種の「ソーシャルワーカー」が生まれ、


保育現場で、様々な事例に対応していく、、、


そうした形を あまり考えていません。(もちろん、SSWのような形式もあるかも知れませんが)



 

 

僕は、あくまでも 保育者が、「ソーシャルワーク」の視点を持つこと。


そこに こだわっています。



僕の活動は、基本的に 全て その考えに基づいて行なっています。



保育者研修で、保育士の先生に「ソーシャルワーク」の視点を伝え、


現場に入って、直接 「ソーシャルワーク」の手法を目の前で見てもらい 理解してもらう。


これが、僕がやっている『保育ソーシャルワーカー』としての活動です。


 

既存のソーシャルワークを、保育現場に持ち込むという考え方ではありません。

そうすると、ご質問の通りに「業務の負荷」が増えてしまいます。



そういう「やり方」ではなく、新しく保育現場にあった形にモデルチェンジする


保育現場から新たに「保育ソーシャルワーク」を生み出すのです。


 

 

 

だから、このサイトのタイトルも

「保育士・幼稚園教諭・学童保育指導員のための現場で使える保育ソーシャルワーク」

 

なのです。

 

 



僕は、「ソーシャルワーク」というものは、特別なものだとは 思っていません。



福祉に携わる人が 全員学ぶべき 「必修科目」だと思っています。


児童福祉に関わるすべての人、児童相談所の職員の方から、学童保育指導員、ベビーシッターの方


子育て支援に関わる方、学校の先生、市の担当者、そして 保育士の先生。


みんなが知っておいた方がよいもの、



それが「ソーシャルワーク」の視点だと思っています。




福祉職の人すべてが学ぶことで、より「社会のサービス」に つながりが生まれます。




「ソーシャルワーク」は より簡単に、よりわかりやすくしなければならないのです。


 


「みんなが使える形にすること」



これが 僕が掲げる「旗」なのです。 (げんき)

 

 

 


 

 「ソーシャルワーカーになること」と「ソーシャルワークの視点をもつこと」は、全くの別物です。

 保育士は、やっぱりこどもとの関わりに専念して欲しいのです。だからこそ、この視点は必要なのです。

 この部分は、僕の考えの「核」となる部分です。 (げんき)