その512)「振り返り」とは、「映像」を思い浮かべることです。



「面談の後などに、振り返る時って、自分が何を言ったか、どんな表現を使ったか、


そうした点を振り返ったら良いのでしょうか?」



ソーシャルワーカーの方から質問を頂きました。





「振り返り」



これは、何も 保護者の相談や保育者同士の会話だけでなく、


こどもたちに 何かの話をした際も 同じです。





「自分が伝えたことが、相手には どう受け止められただろうか?」



それを振り返ることで 反省点や改善点が見つかります。






実は、振り返る際


常に「忘れてはならないこと」があります。





それは 「言葉は無意識にアクセスする」 ということです。




人は、言葉を聞くと 


無意識のうちに その言葉に関連したイメージを描いているのです。





僕は、「言葉がけをする前に どんなことを考えているのですか?」


とよく質問を受けます。



「こんな表現をしよう。」「こういう伝え方にしよう」   


そうした、表現方法は、一度も考えたことが ありません。




全て、「イメージ」です。  「写真」とか「映像」といったほうが良いかもしれません。




『今日は、この3つのイメージ(映像)を伝えよう』



そう決めているだけです。



後は、面談の流れの中で、どういう風に このイメージを伝えるかだけであって、


表現や言い回しは、特に考えていません。



最初に「言い回し」や「表現」を決めておくと、「いかにも・・」といった


まるで、決まっていた「台詞」のようになってしまいます。




「言葉がけ」と聞くと、 どんな言葉、どんな表現と考えがちですが、



僕は、表現ではなく、『イメージ』を2、3枚 用意しているだけ です。



これが、僕が考える 「脳」に届ける『言葉がけ』なのです。





『振り返り』も、もちろん同じです。




どんな表現をしたか、どう伝えたか ではなく、



僕が最初に用意した 3枚の「イメージ」を 相手が描けたかどうか、


もしかしたら、違う「イメージ」を描いたのではないだろうか。




そうした 相手が頭の中で見た「イメージ」を自分なりに振り返っている のです。



これが 「振り返り」 です。








「表現」を振り返ると、浮かんでくるのは 「自分の頭の中」です。



でも、「イメージ」を振り返ると、浮かんでくるのは「相手の頭の中」なのです。(げんき)




 




 大人との面談の際に、伝える「イメージ」は、3枚まで。こどもとの面談の際には、1枚のみ。

 これが、僕が行なっているセラピーの原則です。(げんき)